教育内容

無機化学II

2013年度 無機化学II

概要

無機材料の多くは多元系材料であり、材質を知るためには熱力学的性質の理解が不可欠である。本講義ではまず、金属元素を主な構成要素とする材料のミクロな構造について、基礎結晶学で学習した内容の復習を踏まえて簡単に紹介したあと、二元系および三元系合金を中心に、熱力学と平衡状態図について講述する。さらに準安定相・非平衡相についても解説する。また、金属同士ばかりでなく、水溶液中におけるイオンとの化学平衡についても述べ、酸化還元平衡からネルンストの式を介して、電気化学ポテンシャルの概念を学習する。

到達目標

  • 無機固体の概観 、純金属の共通性質、状態図とはなにか、自由度と相律、てこの関係などを説明できること。
  • 合金、固溶体、金属間化合物とは何か、またそれらの違いを理解すること。
  • 二成分系合金平衡状態図、全率個溶型、共晶反応型、包晶反応型、偏晶反応型などの理解と状態図からそれぞれの反応を読み取ること。
  • 種々の熱力学変数と状態量、熱力学情報の提示方法(エリンガム図、プリドミナンス図、Eh -pH図)を理解すること。また、化学反応が向かう方向について熱力学の観点から説明できること。
  • 合金状態図の熱力学を了解し、各温度における組成と自由エネルギープロットを参考に状態図をかけること。三元系平衡状態図の表記方法理解し、三元系平衡状態図の相および相の組成を算出できること。

キーワード

固体と金属化合物、合金状態図、熱力学情報の提示方法、酸化還元

講義内容

第1回 無機固体の概観 ・純金属の共通性質
第2回 状態図とはなにか・自由度と相律
第3回 てこの関係・二成分系状態図
第4回 合金・固溶体・金属間化合物・二成分系合金平衡状態図①
第5回 二成分系合金平衡状態図②
第6回 二成分系合金平衡状態図③
第7回 二成分系実用合金状態図
第8回 小テストの解説・復習
第9回 化学反応が向かう方向① - 種々の熱力学変数と状態量
第10回 化学反応が向かう方向② - 熱力学情報の提示方法 - エリンガム図・プリドミナンス図
第11回 Eh -pH図・合金状態図の熱力学
第12回 三元系平衡状態図の表記方法①
第13回 三元系平衡状態図の表記方法②
第14回 電気化学ポテンシャルとネルンストの式
第15回 小テストの解説・復習・全体まとめ

成績評価等について

成績評価 小テスト 40%、定期試験 60%
テキスト 松原英一郎(マツバラ エイイチロウ)他『金属材料組織論』
<朝倉書店(アサクラショテン)>
指定図書 渡辺啓(ワタナベ ケイ)著「エントロピーから化学ポテンシャルまで」
<裳華房(ショウカボウ)>
参考書 プリゴジン・コンディプティ著、妹尾(セノオ)・岩元(イワモト)訳
「現代熱力学-熱機関から散逸構造(サンイツコウゾウ)へ」<朝倉書店>
横山亨(ヨコヤマリョウ):『図解 合金状態図読本』<株式会社オーム社>
三浦 憲司(ミウラ ケンジ)、福富 洋志(フクトミ ヒロシ)、小野寺秀博(オノデラ ヒデヒロ):見方・考え方 合金状態図<株式会社オーム社>
宿題および小試験 演習等は適宜行う
前提学力 1年後期に受講する結晶学および熱力学について、よく理解していることが望ましい。